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【浪花に舞い降りた紅天女(3)】ひたすら舞台観劇 想像力の翼から生まれた「ガラスの仮面」 漫画家、美内すずえさん

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【浪花に舞い降りた紅天女(3)】
ひたすら舞台観劇 想像力の翼から生まれた「ガラスの仮面」 漫画家、美内すずえさん

「ガラスの仮面」は舞台やテレビドラマ、能にもなった。舞台版の主役を務めた貫地谷しほりさん(右)と美内すずえさん=平成26年5月、東京都内 「ガラスの仮面」は舞台やテレビドラマ、能にもなった。舞台版の主役を務めた貫地谷しほりさん(右)と美内すずえさん=平成26年5月、東京都内

 美内 ただ、あるとき演劇評論家みたいになって、純粋に楽しめなくなったんです。「芝居を作っている人に対して失礼だ」と思って、見るのをやめた時期もあります。舞台大好き人間だから舞台のお話を楽しく描けるけど、演劇評論家に演劇漫画は描けないんですよ。

 --ところで「ガラスの仮面」の題名にはどんな意味があるんですか

 美内 役者は別の人間の仮面をかぶらなきゃいけないけど、ガラスのようにもろかったらダメなんです。「虹の仮面」とか夢のあるような題名も考えたんですが、ガラスはすぐひびも入るし、どこまでかぶり続けられるのか…。そういう意味ですよね。

 --連載を始められたのが昭和51年。今年で39年も続いている長編です

 美内 長くなった最大の理由は、劇中劇のせいです。小さな物語をたくさん入れるんですが、主人公が新しい芝居をやるたびにストーリーを練って全部台本を書いていたんですよ。たったひと言のせりふを入れるにしても、背景が分からないとどんな演技をさせていいか分からないから。

 --大変な手間ですね

 美内 例えば「舞台に女の子が子守り役で出てきて、人形の子供を背負っているけど首が取れてごろんと落ちて舞台の上で困った」というシーンが浮かんでくると、それを生かすにはどうしたらいいか考えます。その女の子を雇っている若奥さんの立場、女の子を演じる主人公がその場面をどんな演技で乗り切るか。舞台セットも考えないといけないし、二重手間、三重手間なんです。特に初期は他の作品は何も描けなかったですね。

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