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【もう一人のあなた 嫉妬のジレンマ(6)】「自撮り」に見える肥大化する自己愛 強まる不公平感、モンスターペアレントを生む

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【もう一人のあなた 嫉妬のジレンマ(6)】
「自撮り」に見える肥大化する自己愛 強まる不公平感、モンスターペアレントを生む

片田珠美氏

 スマホなどで自分を撮影する「自撮り」の「コツ」や「秘訣(ひけつ)」がネット上にあふれている。「イケメンに撮りたい」「モデルっぽく見られたい」。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に載せる自分の写真をいかによく見せるか、そんな願いに応えるかのような現象だが、精神科医の片田珠美はそこに潜む“病理”をこう分析してみせる。

 「池に映った自分の姿に見ほれて死んでしまったギリシャ神話のナルキッソスを思い出します。ナルシシズムの起源ですが、それこそ奇跡の一枚を自分で撮ってネットに投稿したいわけです。これは肥大した自己愛以外の何物でもない。人々のこの傾向は強まっていくのではないでしょうか」

 スマホに取り付ける「自撮り棒」を人混みで振りかざしたりする迷惑行為が指摘されているが、マナーの話で収まるならまだいい。

 問題は自己愛が引き起こす感情だ。他人の幸福を目の当たりにすると、自己愛が傷つけられて怒りを感じる。それが、他人の幸福を妬んだりする「羨望」である。片田は、ネット上であたかも他人の不幸を願うように、他人を激しく攻撃する風潮が広がっているのは、人々の間で自己愛とともに羨望も強まっているからだとみている。

他人の不幸が蜜

 嫉妬とは自分が持っている幸福を失う恐れであり、羨望は社会的地位、金、美貌、称賛など手に入れたいと願いながら、他人がすでに手中に収めているのを見て抱くネガティブな感情だという。羨望と嫉妬は混然一体となって私たちの心にまとわりつく。

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