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【経済裏読み】「買い手がつけば社名も売るかも」シャープ“断捨離”経営に社員ため息…本社移転先は工場の空きスペース?!

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【経済裏読み】
「買い手がつけば社名も売るかも」シャープ“断捨離”経営に社員ため息…本社移転先は工場の空きスペース?!

大阪市阿倍野区のシャープ本社

 そして中期経営計画の柱と位置付けられた希望退職には3234人が応募、目標の3500規模に届かなかったとはいえ、28年3月期に予定した約150億円の人件費削減は確保した。シャープは戦後の不況時に人員削減を銀行に迫られた際、早川氏が「社員の首を切るぐらいなら会社を解散したほうがいい」との意向で、この思いを伝え聞いた労働組合が自主的に希望退職を募った経緯がある。このため雇用を守る文化が根深かった。

 希望退職の断行に対し、社内には「『会社の発展と(会社に働く)一人一人の幸せとの一致をはかる』とする経営理念に反しているではないか」との声も上がる。背景には、高橋社長は就任前の会見で「新生シャープはどういう会社か」と問われ、早川氏の言葉をもとにつくられた経営理念と経営信条を掲げ「全部正しい。すばらしい創業精神があったのに」と語ったことがある。このため社内には「早川氏の伝道師を公言していた高橋社長があっさり人員削減に踏み切るとは」との失望感がにじむ。

 ただ、高橋社長は労働組合との交渉で「生き恥をさらしてでも再建を成し遂げる」と語ったといい、なりふり構わぬ姿勢に社内には不安が広がっている。

 あるベテラン社員は「以前のシャープなら社員の給料を3分の2、半分にしても全社員で再建を目指したと思う。一般社員の給与カット1~2%で三千人以上を退職させるのは別の会社になったみたいだ」と打ち明ける。

 本社、看板事業、ブランド、社員…。経営再建に向けた構造改革は必要に迫られたとはいえ、切り離すと同時にお金に代えられない矜持や伝統まで失うものもあることを忘れてはならない。

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