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【神武・海道東征 第7部】紀和の道(4)舞う八咫烏 神々に導かれ

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【神武・海道東征 第7部】
紀和の道(4)舞う八咫烏 神々に導かれ

力強くはばたく八咫烏の像。熊野本宮大社境内のポストにある =和歌山県田辺市(恵守乾撮影)

 熊野の荒ぶる神々を倒したカムヤマトイハレビコノミコト(神武天皇)への高天原の支援はさらに続く。古事記はこう書く。

 〈高木大神(たかきのおほかみ)の命以(も)ち、覚(さと)し白(まを)さく、「天つ神の御子、此れより奥つ方にな入り幸(い)でましそ。荒ぶる神いたく多し。今天より八咫烏(やあたからす)を遣はさむ。(略)」〉

 高木大神は、天照大御神と並ぶ高天原の神として古事記に再三、登場する。また日本書紀も、行く道も見つからずに途方に暮れて眠りについたイハレビコが、ある夢を見たとして、八咫烏が派遣される経緯を書いている。

 〈天照大神、天皇に訓(をし)へまつりて曰(のたま)はく、「朕(われ)今し頭八咫烏(やたからす)を遣さむ。以ちて郷導者(くにのみちびき)としたまへ」とのたまふ〉

 夢から覚めたイハレビコの頭上には巨大な鳥、八咫烏が舞っていた。

 「此の烏の来ること、自づからに祥(よ)き夢に叶へり。(中略)我が皇祖(みおや)天照大神、以ちて基業(あまつひつぎ)を助け成さむと欲せるか」

 イハレビコは、天照大御神の意思を感じ取ってそう言い、八咫烏の先導で熊野の山を越えていく。

 東征を成功に導いた存在として欠かせない八咫烏について、記紀は巨大さを表す「八」の数字を使っているだけで、詳しい姿を書いていない。が、一般には3本の足を持つ烏として描かれる。

 「3という数字は聖なる数字。また、3本の足は朝日、昼間の日、夕日の3つの太陽を表すともいわれています」

 『熊野八咫烏』(原書房)の著者で、熊野三山協議会の山本殖生幹事はそう話す。八咫烏とは太陽の使い、つまり天照大御神の使いという指摘である。

 「ただ、地元では熊野の神の使いと信じています。高天原の神だけではなく熊野の神々もイハレビコを助けたと考えているわけで、私もそう思います」

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