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【もう一人のあなた 嫉妬のジレンマ(3)】わが子にエアガン360発 虐待に走る父親たちの未熟な言い分「俺と子供のどっちが大事?」 

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【もう一人のあなた 嫉妬のジレンマ(3)】
わが子にエアガン360発 虐待に走る父親たちの未熟な言い分「俺と子供のどっちが大事?」 

毎週、ステップで更生プログラムを受ける尾崎。妻とは離婚調停中だが、結婚指輪はつけたままだ=横浜市内

 今思えば、疑いようもなく虐待だった。

 午前5時、まだ寝ている長男(8)を起こす。机に向かわせ、自作の計算ドリルや漢字ドリルを与える。答えを間違えればもう一度やり直し。ミスを重ねれば頭をたたく。夜も同じことを繰り返し、長男をかばう妻には「出ていけ」と怒鳴りちらした。

 尾崎学(39)=仮名=は9年前、妻(39)の妊娠を機に結婚した。半年後に長男が誕生すると、素直に感動が込み上げた。だが、何事も長男が優先される生活にストレスを感じるようになり、長男と妻を「支配」する“もう一人の自分”が生まれた。

 妻と長男は今年2月、突然行方をくらませた。警察に捜索願を出しにいくと、「家庭内暴力のため保護した」と告げられた。ノートに自分がしてきた行動を書き出して初めて、長男への嫉妬という感情と暴力を自覚した。

 横浜市のNPO法人「女性・人権支援センター ステップ」が主催するドメスティックバイオレンス(DV)の加害者向けの更生プログラムに通うようになった尾崎は、こう振り返る。

 「妻の中で僕が一番であってほしかった。妻にかまってもらえる長男がうらやましかった」

「俺と子供のどっちが大事?」

 「親思う心に勝る親心」ということわざがある。子が親を思う以上に、子に対する親の愛情は深いという意味だ。

 だが、家族間のトラブルを多く扱う「原宿カウンセリングセンター」所長、信田さよ子は「親が子に嫉妬することは珍しくない」と言い切る。自己肯定感の希薄な親だと、わが子もまた比較の対象であり、愛情は簡単に妬みへと転化するのだという。

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