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朝鮮戦争直前「韓国の亡命政権、難民に備えよ」…国防意識高めた山口県 楽観する国とは別に情報収集

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朝鮮戦争直前「韓国の亡命政権、難民に備えよ」…国防意識高めた山口県 楽観する国とは別に情報収集

インタビューに応じた防衛研究所戦史研究センター長の庄司潤一郎氏=東京・恵比寿

 25年6月、ソ連軍の庇護下にあった金日成国家主席率いる北朝鮮軍が38度線を越えて南進する直前、「米軍の旗色が良くない。このままでは、(韓国が負けて)いつ日本が北朝鮮から攻められるか分からない」との情報が入ってきた。

 田中は吉田のほか、外相、法相ら複数の閣僚に情報を伝え、「なんとかしてほしい」と要請した。だが吉田からは、「余計なことを言うな」と一蹴された。 その2日後、金日成軍が南に攻め入った。

 吉田は田中の報告を聞く3日前、朝鮮半島の視察を終えたばかりの米国務長官顧問のダレス(後に米国務長官)と会談していた。山口県史からは、この時の会談で、吉田が半島情勢を楽観視していた様子がうかがえる。

 吉田は田中の“ご注進”に対し、「ダレスは『進駐米軍の士気は旺盛で、装備も充実だ。心配ない』といっていた」と怒った口調で退けたという。

 北朝鮮軍の南進に懐疑的だった吉田は、国家の専権事項である軍事・外交について、地方自治体が余計な口出しをすることに苛立ちを示したとみられる。

 だが、歴史が証明したのは、ダレスの楽観論ではなく、田中の情報が正しかった、ということだ。

 戦局は悪化の一途をたどり、韓国の李承晩政権は北朝鮮軍に半島南端の釜山近郊まで追い詰められた。

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