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【理研CDBが語る】iPS細胞、世界初の応用で注目集めた「網膜再生」 最新の医療で視機能の回復を目指す

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【理研CDBが語る】
iPS細胞、世界初の応用で注目集めた「網膜再生」 最新の医療で視機能の回復を目指す

iPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞。茶色の色素を持ち、多角形の敷石状の形態を示す

 「再生医療」という言葉にどんなイメージをお持ちだろうか。

 今まで治療できなかった病気やけがが治る魔法の医療? 若返りも可能に? 良いイメージばかりではなく、怪しげな印象を持っている人もいるかもしれない。ある調査では半分以上の人が、再生医療という言葉について、聞いたことはあるがよくわからないと答えたという。

 再生医療とは、病気やけがで失われた体の機能を再生させる医療で、多くの場合「幹細胞」と呼ばれる細胞が用いられる。幹細胞は、体の中の色々な種類の細胞になる大もと、基幹となる細胞で、いくつかの種類があるが、中でも有名なのが人工多能性幹細胞ことiPS細胞だ。

 人工的に作られた、さまざまな細胞になる能力(多能性)を持つ幹細胞である。これは何だかすごそうだ、ということでiPS細胞を使った再生医療研究の第一号として注目を集めたのが、われわれの研究室である。

 昨年秋、放置すると著しい視力低下をきたす重い目の病気の患者さんに、本人のiPS細胞から作った網膜の細胞(網膜色素上皮)を移植する手術が行われた。

 何しろ世界初である。研究を進めるにあたっては、細胞の作製、安全性の確認、さまざまな手続きなど、何もかもが手探り状態で、壁にぶつかりながらの歩みであった。周囲の人々の協力により何とか乗り越え、前に進むことができたと思う。

 最新科学、先端医学の成果として脚光を浴びる一方、まだ新しくてよくわからない細胞を人に移植するのは時期尚早という声もある。ではなぜ、この治療研究が進められることになったのか。

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