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【関西の議論】「ファッショ! 独裁や!」時代錯誤のヤジが渦巻く教科書採択 「人権上の配慮欠く」?いわれなき中傷で育鵬社外し

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【関西の議論】
「ファッショ! 独裁や!」時代錯誤のヤジが渦巻く教科書採択 「人権上の配慮欠く」?いわれなき中傷で育鵬社外し

来年度から使用される中学校教科書で新規採択が相次いでいる育鵬社版の歴史、公民教科書(上)。採択が行われた大阪府東大阪市の教育委員会では、育鵬社版の採択に反対する傍聴者から「ファッショ! 独裁や!」などと怒号が飛び、異様な雰囲気に包まれた

 「ファッショ! 独裁や!」「裏切り者の教育委員長。あんたは東大阪の教育を殺すんや!」。傍聴席から激烈なヤジが飛んだ。大阪府東大阪市で7月に行われた中学校教科書(平成28~31年度)の採択をめぐる一幕だ。市教委が公民分野で育鵬社(東京)の教科書を選んだことで、会場に詰めかけた反対派住民らによる騒動が起きた。教育委員が話し合って決めたことが、なぜ「独裁」呼ばわりされるのか。採択までの経過をたどると〝異常〟ともいうべき、育鵬社外しの動きが浮かび上がった。

カギ握る「選定委」

 東大阪市の教科書採択で鍵を握るのが、教育委員会に先立つ「選定委員会」の存在だ。

 市教委事務局、現職の学校長、教員、保護者代表の計12人で構成され、各教科書の善しあしについて話し合う。この選定委の段階で分野ごとに、それぞれ3社に絞り込んだ答申をまとめるのが慣例となっている。

 本来、採択権者(東大阪の場合は、教育長と委員長を含む4人の教育委員)の判断を縛るような文書を出すことは禁止されている。これまで現場の教員らの意向を追認する傾向が強かった教科書採択手続きの公正確保に向けて、文部科学省は今年4月、事前の「絞り込み」を禁止した文書を各教委に通知していた。

 このため、市教委は「(選定委の)答申に法的拘束力はない」としてあくまで参考資料という位置付けを強調している。しかし、答申の3社に入っていない教科書が採択されることは過去の実績に照らしてほとんどない。それだけ答申の存在は重い。

意外な〝前哨戦〟

 育鵬社は、教科書の自虐的な歴史記述を批判してきた扶桑社の事業を継承し、平成19年に設立された。「日本教育再生機構」のメンバーらが執筆した中学歴史・公民の教科書を発行している。

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