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「臆病な性格だけど、それも個性」人工孵化のウッティー、上々の鵜飼デビュー 苦難の〝子育て〟実る

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「臆病な性格だけど、それも個性」人工孵化のウッティー、上々の鵜飼デビュー 苦難の〝子育て〟実る

ウッティーの追い網をたぐる鵜匠の沢木万理子さんは「80点」と笑顔=5日夕、京都府宇治市

 京都・宇治川の鵜飼(うかい)で5日、無事に鵜飼デビューを果たした「うみうのウッティー」。観光客ら約200人に見守られ、勢いよく川に飛び込んで獲物の川魚を捕えると、大きな歓声と拍手に包まれた。母親代わりとなって育ててきた鵜匠(うしょう)の沢木万理子さん(41)は初舞台を終えてひと言、「ああ、やっぱり鵜飼の鵜やったんや」。冗談めかした言葉の奥には、人工孵化(ふか)で生まれた海鵜(うみう)ならではの、苦難の〝子育て〟があった。(永山準)

人間と思い込む?

 ウッティーは昨年6月、海鵜のペアが生んだ唯一の有精卵を、全国で初めて人工孵化させて育てられた。

 海鵜は「人間に育てられると、産卵どころか交尾さえしない」のが定説とされる渡り鳥。各地で行われている鵜飼では、すべて捕獲した海鵜を用いている。

 生態に不明な点も多く、ウッティーの飼育は、中国で鵜飼に使われる川鵜の専門家の意見を参考にしながら、多くの人間の手によって行われてきた。その中で母親役の沢木さんが立てた仮説は、こうだ。

 「自分のことを人間と思っているのかもしれない」

 人間には慣れているものの、当初は川に入ることを嫌がったりほかの鵜を避けたりと、怖がりな一面を見せていたという。

 今年6月からは実際に舟の上に乗せて魚を捕る訓練を始めたが、かがり火を見て体をこわばらせるなど、一つ一つ慣れるまでに時間がかかった。連日の特訓を重ね、ついにつかんだデビューがこの日だったのだ。

初心者マーク

 太陽が徐々に沈みだし、かがり火が川面を照らして火の粉を散らす中、紺の烏帽子(えぼし)に腰みの姿の沢木さんら鵜匠と、ウッティーを含む鵜6羽が、舟に乗って川岸を出発した。

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