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福岡を「混雑空港」指定へ 滑走路1本… 国交省、発着回数に制限

50年前の昭和40年9月。1日に大韓航空(日本航空との共同運航)の釜山便、同2日にキャセイパシフィックの香港便が相次いで就航し、福岡空港は国際空港となった。
市中心部から地下鉄で10分という利便性もあり、福岡空港利用者は着実に増加した。平成25年には初めての欧州直行定期便となるオランダ・アムステルダム線も開設された。8月1日現在21路線、週546便が乗り入れている。
国際線旅客数は、成田、関西、東京(羽田)、中部に次ぐ5位だ。国内線も加えた旅客数は東京、成田に次ぐ国内3位となっている。
■機能強化が必要
増加する利用客に、施設整備が追いつかない。
滑走路1本の福岡空港は、世界でも有数の過密ダイヤで運用されている。発着回数は年17・4万回に達し、滑走路1本あたりとしては日本最多だ。また、世界を見ても、福岡と同程度の発着回数で、滑走路が1本だけの空港は、極めて珍しい。
混雑解消は、九州の政財界で長年、議論されてきた。福岡商工会議所は昭和40年代にすでに「福岡空港は21世紀にはパンクする」と見通し、代替空港の検討を始めた。平成元年ごろにも議論は再浮上し、海上移設など、さまざまな主張が繰り広げられたが、巨額の費用などが課題となった。
結局、現在地で滑走路を増設する方針が決まり、国土交通省は平成24年、増設に向け環境アセスメントに着手した。2本目の滑走路は、36年度の完成を目指す。
しかし、航空会社からは「(客を乗降させるための)ブリッジを増やしてほしい」「地下鉄から国際線へのアクセスを改善してほしい」など、次々と要望の声が上がる。