産経WEST

【西論】原発再稼働は国策だ 政府は覚悟を示し、国民の理解を得よ

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【西論】
原発再稼働は国策だ 政府は覚悟を示し、国民の理解を得よ

原子力規制委員会の安全審査を受けている関西電力美浜発電所3号機=福井県美浜町

 お盆さなかの14日、一つの記事に目を引かれた。コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、10月以降、大阪や兵庫など関西4府県の計約千店舗で、電力の調達先を関西電力から東京電力に切り替えるとのニュース。契約電力は3万2千キロワット、大規模工場17カ所分に相当する規模で、切り替えにより年間約2%、数億円規模のコスト削減が見込めるという。

 原発依存度が高かった関電は、東日本大震災以降、2度にわたり電気料金を引き上げた。その結果、顧客の関電離れが急速に進んでいる。

 来年4月に電力小売りの全面自由化を控える中、「原発ゼロ」が続く関電は競争力強化への道筋が見いだせないでいる。原子力規制委員会の新規制基準に基づく安全審査に合格した高浜原発3、4号機は、福井地裁から運転差し止めの仮処分決定を受け、判断が覆るまで動かすことはできない。

 平成27年3月期まで4年連続の最終赤字となった関電は、27年4~6月期連結決算こそ黒字を確保したが、原油価格下落の恩恵を受けたにすぎない。八木誠社長も「一時的な収支改善」だと自覚している。

環境、エネルギー安保に影

 11日、九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県、89万キロワット)が再稼働した。14日には発電と送電を開始し、1年11カ月ぶりに原発から電気が供給された。

 川内の再稼働は、福島第1原発事故を教訓に作られた「世界で最も厳しいレベル」(田中俊一・規制委委員長)の新規制基準をクリアした上で動き出した点で意義深い。新基準には、従来の「安全神話」から脱却するための厳格な規制が盛り込まれているからだ。

 「原発ゼロ」の継続は、家計や企業の収益を強く圧迫してきた。エネルギー白書によると、26年度の電気料金(全国平均)は震災前に比べ、家庭向けで25%、企業向けは38%上昇した。

 再稼働の遅れは、経済性ばかりではなく、環境面でも影を落とす。

「産経WEST」のランキング