産経WEST

死亡率高いマダニ感染症 全国初の抗体保有調査始まる 愛媛

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


死亡率高いマダニ感染症 全国初の抗体保有調査始まる 愛媛

抗体の保有調査で採血に協力する住民=愛媛県伊予市

 マダニを媒介して感染するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)の死者数が全国的にも多い愛媛県は、国立感染症研究所(東京)と共同でウイルスに対する抗体保有の調査を始めた。県によると、住民のウイルス抗体の調査は全国で初めてという。SFTSの根本的な治療法は確立されておらず、県は「調査を実態把握の第一歩としたい」としている。

 県によると、SFTSはマダニにかまれて感染し、発熱や下痢、腹痛などを発症し、重症化すると死亡することもある。国内では平成25年1月に初めて患者の報告があり、今年6月28日までに西日本の18府県で141人の患者が確認され、44人が死亡している。愛媛では8人が亡くなっており、死者数は宮崎県と並んで全国最多という。

 調査は今後の予防対策に役立てるのが目的。対象はマダニにかまれるリスクが高い農林業に従事している50歳以上の660人。採血によるウイルス抗体の保有調査をはじめ、マダニにかまれたことがあるかなどを聞き取り、感染・発症のリスクを調べていく。同研究所が年内に抗体検査を終え、調査結果を来年3月までに公表する予定。

 JAえひめ中央伊予営農支援センター(伊予市)で7日、採血調査があり、29人が協力。同市内でミカンとキウイフルーツを栽培している渡辺清子さん(70)は「毎日のように農園で作業をするのでマダニにかまれたことはある。今後の対策に役立てばと協力した」。同市内の果樹栽培農家の松浦義憲さん(67)は「肌を露出しないなどマダニ対策はしているが、やはりかまれる。亡くなった人もいるので不安はある」と話した。

 県立衛生環境研究所の四宮博人所長は「重症化するリスクが高い人の要因などが分かれば、具体的な対策がとれる。今後の予防法の研究につなげていきたい」と述べた。

「産経WEST」のランキング