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【舞台の遺伝子】「はい、お嬢様」サンダーバード・パーカー人形の繊細、豊かな表情の秘密 からくりの街 神戸・有馬

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【舞台の遺伝子】
「はい、お嬢様」サンダーバード・パーカー人形の繊細、豊かな表情の秘密 からくりの街 神戸・有馬

SF人形劇「サンダーバード」の名脇役、パーカーの人形。繊細な表情を生み出すからくりは、淡路人形浄瑠璃の人形(左奧)から生まれたという=神戸市北区の有馬玩具博物館

 「はい、お嬢様」。ぎょろりと印象的な青い瞳に存在感たっぷりの眉、不敵な笑みをたたえた英国紳士の人形がガラス越しに会釈している。今にも声が聞こえてきそうなたたずまいだ。

 彼の名は、アロイシャス・パーカー。イギリスのSF人形劇「サンダーバード」の名脇役だ。

 サンダーバードは21世紀を舞台に、スーパーメカを駆使して事故や災害に立ち向かう国際救助隊の活躍を描いた物語。口や目が動く表情豊かな人形などリアルな演出が受け、日本でも昭和40~50年代を中心に人気を博した。

 神戸市北区の有馬玩具博物館はパーカーの人形3体を所蔵する。いずれも、人形作家、ジョン・ブランダール氏(1937~2014年)が平成16年までに同館のために作ったものだ。ヨーロッパをはじめ、世界中のからくり人形が並ぶフロアに展示。淡路人形浄瑠璃の人形もある。

 「サンダーバードに登場する人形には、実は浄瑠璃人形の仕組みが生かされていたんです。目や口が繊細に動く人形はそれまで欧米にはなかったそうです」と、同館を運営する会社「御所坊」の金井啓修社長(60)。サンダーバードとからくりの“出会い”は、神戸にあった。

「サンダーバード」の人形作家として知られるジョン・ブランダール氏は、世界中の人形を研究していた。日本の浄瑠璃人形にも関心を寄せ、神戸で頭(かしら)の仕組みを勉強していたとされる。

 パーカーら3つのキャラクターの人形を担当することになったブランダール氏は、浄瑠璃人形を参考に、目がきょろきょろと動くなど表情を豊かにする仕組みを提案した。それまでの欧米の人形劇の人形では瞬きをする程度。スタッフらはその精巧さに驚いたという。

 ブランダール氏と神戸の縁はその後も続く。2002年ごろ、スコットランドで開かれた人形作家らのパーティー。有馬玩具博物館の初代館長を務めたからくり人形作家、西田明夫氏も同館の開館準備のために訪れていた。2人は偶然にも隣同士に座った。

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