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【佐世保高1女子殺害】「古い感覚」「妥当」…家裁決定で専門家の見方割れる

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【佐世保高1女子殺害】
「古い感覚」「妥当」…家裁決定で専門家の見方割れる

 学校法人同志社の大谷実総長(刑法学)も「検察官送致して精緻な審理ができる刑事裁判を受けさせるべきだった。その上で、医療刑務所や指定の精神科病院への入院などの選択もできたはずだ」と指摘する。

 さらに、日本大大学院の前田雅英教授(刑事法)は、少女が16歳を超えると刑事罰の可能性が高いと知っていた点について「少年法の細かい部分まで熟知した非行少年が多い現状では、厳罰化にはそれなりの意味がある。厳しい姿勢が、非行に一定の歯止めをかけるのではないか」と疑問を呈した。

 少年犯罪の被害者遺族からは、非公開の少年審判でなく、公開の刑事裁判による真相解明の機会が閉ざされたことへの批判の声もある。

 一方、少女が共感性が欠如した重度の「自閉症スペクトラム障害」であることなどから、少年法や精神医療の専門家の間では治療を優先した家裁の判断に理解を示す声が強い。

 少年事件に詳しい九州大学大学院の武内謙治准教授(少年法)は「刑務所では精神医療の面からのケアが十分行えない。長期収監による弊害も大きく、社会復帰が困難になる」とみる。

 医療少年院は、心身に著しい障害がある非行少年を精神医療の専門家の下で作業療法や薬物療法などで更生させる。長崎家裁の決定は、「いまだに殺人欲求がある」とされる少女の特異性を考慮した結果ともいえる。

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