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「大津絵」の魅力海外に発信 仏人日本美術史研究者、解説書を母国で出版

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「大津絵」の魅力海外に発信 仏人日本美術史研究者、解説書を母国で出版

大津絵の解説書「日本の民画・大津絵」を執筆したクリストフ・マルケさん

 江戸時代初期の大津で生まれ、東海道筋の土産物として人気を集めた大衆画「大津絵」の魅力を海外に発信する書籍が、フランスで出版された。執筆したのは、フランス人の日本美術史研究者で、日仏会館フランス事務所(東京都渋谷区)の所長を務めるクリストフ・マルケさん(50)。「日本の民画・大津絵」と題してフランス語で執筆し、来年には日本語版や英語版の発行も検討している。

 大津絵は、江戸初期に現在の大津市追分町付近で誕生したとされる。当初は、信仰の一環としての仏教絵画が中心だったが、のちに世俗的な題材を取り上げるようになり、風刺画へと転じていった。当時、東海道を行き交う人たちの土産物として人気を博したが、明治時代に入って鉄道が開通し、旧東海道を歩くという形態の旅が一般的でなくなっていくとともに廃れた。

 マルケさんは約25年前、日本美術史を研究するため来日した。研究活動の中で、近代洋画の先駆者として知られる浅井忠(1856~1907年)が、「大津絵に近代西洋絵画の要素が含まれている」との考えに立ち、皿など工芸作品のデザインに大津絵を取り入れていた点に着目。浅井を通じて、大津絵が持つモダンな部分をはじめ、江戸時代の日本にも風刺の文化が花開いていたことなどを知り、大津絵に魅了されていった。

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