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【スポーツ・クローズアップ】世界の頂点挑む「競歩」…心技体で美しく、速く

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【スポーツ・クローズアップ】
世界の頂点挑む「競歩」…心技体で美しく、速く

 リオデジャネイロ五輪まで1年余り。陸上でも“五輪前哨戦”となる世界選手権が8月に北京で開幕する。その中で、金メダルへの機運が高まっているのが「競歩」だ。3月の全日本競歩能美大会(石川)の男子20キロで、27歳の鈴木雄介(富士通)が1時間16分36秒の世界新記録を樹立。「世界選手権も五輪も金メダルが目標」と意気込んでいる。

 競歩はただ歩くスピードだけで勝負が決まるわけではない。レース中は「歩型」と呼ばれるフォームを審判員が厳しくチェックしている。一方の足が地面に触れていなければならず、膝も曲がってはいけない。レースを引っ張っていた選手が歩型違反で失格となるケースも決して珍しくない。“美しく、速く”が最大のテーマだ。

 五輪や世界選手権では男子競歩は20キロ、50キロの2種目があり、いずれもロードレース。マラソンが1カ所で折り返すことが多いのに対し、競歩は直線コースを何度も往復するレースが多い。折り返しの回数が増えるほど、スピードにブレーキをかけることになり、世界記録保持者となった鈴木でさえ、スピードだけを追い求めているわけではない。技術や精神力も重要になる競技だ。

 まだ、日本勢は世界大会でメダルを獲得したことはない。鈴木も2011年世界選手権(韓国・大邱(テグ))で8位に入賞したのが最高で、12年ロンドン五輪は左膝痛で36位。13年世界選手権(モスクワ)も、その年の世界ランキング1位で大会を迎えながら、中盤以降に失速して12位に終わった苦い経験がある。

 これまでは万全の状態でスタートラインに立つことを意識しすぎて、気持ちが焦ってしまうことが多かったという。気持ちの焦りはフォームの力みにつながり、スピードと技術のバランスが崩れる。だから、鈴木は今夏の世界選手権に向け、「80%の状態を目指したい。80%に持っていけば、良いレースができる」と自然体を強調する。世界記録の自信も胸にリラックスした気持ちで大会に臨むつもりだ。

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