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「患者の気持ち尊重すべきだ」「十分な体制か疑問」生体肝移植再開…医療関係者でも賛否 神戸の患者4人死亡の病院

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「患者の気持ち尊重すべきだ」「十分な体制か疑問」生体肝移植再開…医療関係者でも賛否 神戸の患者4人死亡の病院

神戸国際フロンティアメディカルセンターの生体肝移植をめぐる経過

「この機会逃せば手遅れに」

 今回移植を受ける兵庫県西宮市の男性患者(63)の代理人弁護士も「男性は今は体調が安定している。この機会を逃すと、手遅れになりかねない」と強調する。

 男性は平成19年に肝臓がんと判明し、生体肝移植以外に助かる方法はないと診断されている。別の病院で、肝臓の血管が詰まる門脈血栓のリスクが高いとして手術を断られた。

 今年4月にセンターに転院したものの、同22日に予定されていた手術は一連の問題判明で延期。5月には臓器提供者(ドナー)となる妻(64)と記者会見し、「リスクは承知している」とした上で、早期の実施を訴えていた。

 センターの担当者は「他施設の医師の協力も受け、万全の体制で手術に臨む」としているが、今回手術に加わるスタッフの数などは明らかにしていない。3日午前に開始予定の手術は、30時間程度に及ぶとみられる。

賛否渦巻く

 こうした中での移植再開には、医療関係者の間でも意見が分かれている。

 滋慶医療科学大学院大の土屋八千代教授(医療倫理)は「病院の体制を改めた上で、患者が手術を切望するならば、患者側の意向を優先するという選択肢があってもいい。専門医が患者の容体などをきちんと判断した上で、患者の気持ちを尊重すべきだ」と指摘する。

 これに対し、神戸市医師会の置塩隆会長は「十分な体制ができているか疑問で、市の立ち入り検査を待たずに手術を強行するのは理解に苦しみ、残念。手術を受けたいという患者の意思を尊重するというなら、別の医療機関を紹介するといった対応を取るべきではないか」と話した。

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