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中国に入れ込んだ代償…現地子会社の不正見抜けず、名門商社が100年の歴史に幕

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中国に入れ込んだ代償…現地子会社の不正見抜けず、名門商社が100年の歴史に幕

経営破綻し陳謝する江守グループホールディングス社長の江守清隆氏=福井商工会議所

 ところが好調な業績とは裏腹に、中国の大口取引先からの代金回収が滞ったほか、中国子会社の不正取引などによる特別損失計上で、26年12月末時点で234億円の債務超過となっていた。

 同社の売上高のうち中国市場は7割を占め、過大な中国依存度が屋台骨に大きな衝撃を与える結果につながった。

チャイナリスク

 複数の民間信用調査会社の関係者は「中国での取引でだまされたという印象もあるが、放漫経営の側面も否定できない」と厳しい見方を示す。

 ビジネスでの現金の流れを示す営業キャッシュフローは26年3月期まで5期連続でマイナス。一方、金融機関からの借り入れなどを反映する財務キャッシュフローは膨らんでおり、ツケを回収できないまま、借り入れでまかなっていた財務状況は明白だった。

中国での不正を見抜けなかった

 中国子会社の不正を見抜けなかったことに対する風当たりも強い。江守は3月、中国子会社の経営トップだった元総経理が、親族が経営する会社と取引を行っていたと発表。元総経理が内部規則に違反し、江守の承諾を得ずに親族の会社と取引を行い、最終的な販売先が仕入れ先と同一の「売り戻し取引」が見つかったという。本来は手数料収入だけとするはずの利益を商品売買の売り上げがあったように計上していた。

 同社は8社の事業と社員の雇用は維持するとしているが、経営は創業家の手を離れた。江守氏は「苦渋の決断だった」と落胆を隠せない。中国傾注の代償はあまりにも大きかった。

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