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【向き合う力】文美月(7)根っこと向き合い、スイッチが入った

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【向き合う力】
文美月(7)根っこと向き合い、スイッチが入った

ヘアアクセサリーの制作・販売を行う「リトルムーンインターナショナル」を起業した文美月さん=2015年4月、大阪市浪速区(南雲都撮影)

 高校時代までの通称名(通名)をやめ、大学からは本名で通い始めた文美月さん(44)。ただ、本名になることへの気負いから“空回り”することも少なくなかった。足元を見つめ直して出した答えは「自分のペースで」だった。

同胞のコミュニティーに参加するも…

 3カ月の猛勉強で大学受験を乗り切ったことからも分かるように、エンジンのギアをいったん切り替えると、あとは一直線に突き進む性格です。猪突(ちょとつ)猛進型なのかもしれませんが、それが良くなかったのか、「文という名前に変えたからには在日コリアンを前向きに捉えたい」と張り切りすぎて、空回りした思い出があります。

 入学当時、在日コリアンの友人がいなかった私は、同胞の集まりに顔を出すことにしました。せっかくなら友人も作って、一緒に言葉や文化、歴史も勉強しようと思ったからです。知りあった同胞は、生まれ育った環境や顔立ちがどこか似ていて一緒にいて楽な気がしました。

 私には初めての同胞とのコミュニティーはとても新鮮でした。みんなも優しく受け入れてくれました。ところが、しばらくして違和感を覚え始めたのです。

 それまで、あまりに「ずっと日本人と一緒にいて当たり前」の環境で育っていたので、民族教育を受けた人が多かったその同胞グループに溶け込もうとしても、みんなのようには言葉もできないし、民族の歴史もあまり知りません。家族のように付き合いが濃い、同胞のコミュニティーにすぐについていけなかったのです。

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