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【向き合う力】文美月(3)「3倍努力して初めて日本人と同じ」 今なら少し理解できる父の厳しさ

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【向き合う力】
文美月(3)「3倍努力して初めて日本人と同じ」 今なら少し理解できる父の厳しさ

奈良市の奈良公園で家族で撮った記念写真。母親に抱かれる生後8カ月の文美月さん(文さん提供)

 在日コリアン3世の文美月さん(44)にとって父や母、祖父母ら家族の存在は、主婦から起業するに至るまでの大きな「支え」になった。家族思いで、芯の強い母。そして、厳しく、ときに優しい父。その存在は、「働く母親」としてのいまの文さんを支えている。

幼くして両親をなくし、一家を支えた父

 少し、私の祖父母の話をしたいと思います。父方の祖父は韓国・釜山の出身。日韓併合時代、日本に仕事を求めて海を渡りました。祖父は京都で、砂を運ぶ仕事をしていたそうです。そして父が8歳のとき、終戦の少し前に他界しました。

 父はまだ小さく、記憶が定かではないところはあるようですが、祖父は戦争が終わったら朝鮮半島に戻りたいと思っていたそうです。残された祖母と父と、父より5歳下の叔父は、祖父の意向を汲(く)んで朝鮮半島に戻ろうとし、山口県の下関から出る釜山行きの船に乗ろうと京都を離れました。

 ところが、祖母は字が読めず、ふとしたことで騙(だま)されて荷物一式を取られてしまったのです。行く宛てをなくした一家は仕方なく、また京都に戻ることになりました。ほどなくして祖母は結核にかかり、亡くなりました。

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