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【動画】「地球ゴマをなくしてはいけない」 誤差0・02ミリ以下の職人技、継承探る 名古屋

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「地球ゴマをなくしてはいけない」 誤差0・02ミリ以下の職人技、継承探る 名古屋

高い精度を誇る地球ゴマなら毎分2000回転を維持し、巣山重雄工場長が持つペンの先でも落ちずに回り続ける=名古屋市千種区(大竹直樹撮影)

 一度回すと傾いてもなかなか倒れず、昭和30~40年代(1955~1974年)に子供だった人なら、だれもが不思議に思った「地球ゴマ」。地球の自転をも説明できる科学理論と、誤差を100分の2、3ミリ以下に抑える職人技術が合わさって生まれた日本ならではの“科学玩具”。細々と作り続けてきたのは、名古屋市の小さな町工場だ。しかし職人の高齢化や後継者不足には勝てず、廃業することが決まり、皮肉なことに今、改めてスポットライトを浴びている。

毎分3000回転超の高速回転、ボールペンの先に乗せても落ちず、綱渡り…

 「ダッダダダン」-。金属を切断する小気味良い機械音が木造平屋の小さな工場内に響く。「ここでなくしてしまうのは、『地球ゴマはぼくの命』と仰っていた先代の社長に申し訳ない」-。昭和36年から半世紀以上にわたり製造に携わってきた工場長の巣山重雄さん(85)はさびしがる。今をさかのぼること90年以上も前、大正10年から地球ゴマ一筋で製造を続けてきたタイガー商会(名古屋市千種区)は、6月末に94年の歴史に幕を下ろす。

 金属製のリングを十字に組み合わせた外枠の中で、軸に支えられたコマが回転する地球ゴマは、芯棒の穴開けから塗装までほぼ全工程が手作業。巣山さんと、サラリーマンから平成17年に畑違いのこの業界に飛び込んだ鳥居賢司さん(52)ら3人の職人が一つずつ削り、磨き上げていく。

 1分間に3千回転以上の高速で回転し、ボールペンの先に軸を乗せても落ちず、綱渡りも得意技。今も部外者立ち入り“厳禁”の工場の中で生まれる。

 「芯棒が正確に中心に来ていなければぶれが生じ、よく回らなくなる」(巣山さん)。許される誤差は、わずか100分の2~3ミリ以下だ。以前に芯棒を外注したこともあったが、使い物にならなかったという。

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