産経WEST

【精神科女医のつぶやき】片田珠美(139)はめてみたり外してみたり…小さな指輪の深い意味

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【精神科女医のつぶやき】
片田珠美(139)はめてみたり外してみたり…小さな指輪の深い意味

 ルビーの指輪がオークションで、ルビーとしては史上最高額の36億円超で落札されたというニュースを見て、30年以上前の寺尾聰さんのヒット曲「ルビーの指環」を思い出した。この曲では、恋人を失った悲しみが切々と歌われている。その恋人と同じ色のコートを着た女性を見かけるたびに、指に「ルビーの指環」を探す男の姿に未練が感じられる。

 こんなふうに大切な何かの象徴として指輪が物語に登場するのは、よくあることだ。たとえば、尾崎紅葉の『金色夜叉』では、ダイヤの指輪に目がくらんだお宮が貫一を捨てて、富豪のもとに嫁ぐところから悲劇が始まる。また、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作『指輪物語』では、世界を滅ぼす魔力を秘めた「一つの指輪」をめぐって戦いが繰り広げられる。

 なぜ、指輪は人生を変える重要な対象とみなされているのか? この連載をずっとお読みくださっている読者の方なら、おわかりのはず。そう、指輪をはめるという行為が、性交のメタファー(隠喩)にほかならないからだ。

 だって、そうでしょう。長くて突き出ている指は男性器の象徴であり、それを穴に入れるわけだから、精神分析的には性交を暗示する行為とみなされる。

 そういうふうに考えれば、結婚を約束した相手に婚約指輪を贈る理由も理解できる。「あなた以外の女性とは、指輪をはめることが暗示しているような行為はしません。あなたも、僕以外の男性とはそういう行為をしないと約束して」というメッセージを伝えているわけだ。

このニュースの写真

  • 片田珠美(139)はめてみたり外してみたり…小さな指輪の深い意味

「産経WEST」のランキング