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【関西の議論】巨大ターミナル・阪急梅田駅ホームにあるナゾの「箱」 関西鉄道特有「新聞原稿」託送制度を追う

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【関西の議論】
巨大ターミナル・阪急梅田駅ホームにあるナゾの「箱」 関西鉄道特有「新聞原稿」託送制度を追う

行き止まりの線路が9本並ぶ一大ターミナルの阪急梅田駅に置かれた「新聞原稿」の箱

 電車での託送が残っている理由。それは「安さ」と「確実性」だ。阪急電鉄の場合、利用料金は区間にかかわらず一律270円。電車だから、バイク便のように渋滞で遅れるリスクもない。ダイヤに正確な日本の鉄道を活用した速達サービスといえる。

 かつては事件・事故現場に近い駅から、原稿やフィルムを大阪市内の本社まで送るのに重宝し、頻繁に使われていたが、原稿や写真をパソコンから直接伝送できるようになり、利用頻度は一気に減ったという。

 阪急電鉄の担当者は「270円という金額であっても、もう重視されていないのかな」と感慨深げだ。

 「新聞原稿」の箱に入れられた封筒をさらに追う。

正確な報道支える制度

 箱のそばにいると、ほどなく若者が現れ、箱の中から封筒を拾い上げた。さっそうと人波をかき分け、外に止めていたロードバイクにまたがった。自転車便である。

 御堂筋を疾走し、浪速区にある産経新聞大阪本社まで20分足らず。公立高校の入試問題は京都府教委を発って約2時間後、紙面の割り付けや記事に見出しを付ける本社の整理部に届けられた。ここで入試問題は紙面化されるのである。

 それにしても、通信技術が発達した現代では、スキャナーで文書を読み取ってPDFデータをメールで瞬時に送れる。問題用紙も、総局のスキャナーで読み取り本社に入稿すれば済むような気もするが、なぜ現物を運ぶのか。

 整理部のベテラン記者が、入試問題の現物を送る理由を語る。

 「ファクスやPDFで送信すると、どうしても画質が落ちる。特に数学の図形の問題では正確さが求められる。点や印刷のにじみは許されない。英語のピリオド一つとっても重要だ」

 小さな点が一つ増えても、不要な誤解を招きかねない。新聞記事もまた、鉄道と同様、かくも正確性が求められるものなのだと改めて実感した。

 託送制度は正確な報道を支えていたのである。

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