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「天空の城」にも劣らぬ山城 観光の起爆剤期待 佐用町の「利神城」

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「天空の城」にも劣らぬ山城 観光の起爆剤期待 佐用町の「利神城」

上空から撮影した利神城跡。雲突城」と呼ばれた威容をしのばせる(佐用町教育委員会提供)

 国宝・姫路城の支城として整備された兵庫県佐用町の山城「利神(りかん)城」を国史跡にしようと、同町は今年度から本格的な調査に乗り出した。城跡は長年放置されてきたため、遺構の石垣が崩れるなどしており、対策は急務。専門家は、「天空の城」として人気を集める国史跡の山城「竹田城跡」(朝来市)にも劣らぬ城跡と評価しており、史跡指定で整備が進めば少子高齢化や過疎化に悩む町の観光の起爆剤としても期待されている。

 利神城は14世紀前半に利神山(373メートル)に築かれ、関ヶ原合戦(1600年)後に姫路城に入った池田輝政が、おいの由之(よしゆき)に命じ本格的に整備させた。

 山頂の本丸を中心とした主要部には南北400メートル、東西200メートルにわたって曲輪(くるわ)が広がり、総延長740メートルの石垣が巡らされている。石垣は最高で10メートルの高さがあり、整備当時は3層の豪壮な天守閣が建っていたと伝わる。朝霧を付いて山頂にそびえる天守の威容から「雲突(くもつき)城」とも呼ばれた。山の麓には城主や重臣らの御殿屋敷跡も残る。

 町では、昭和58年に山頂の一部を町文化財に指定したが、その後はほぼ放置された状態が続いてきた。長年、手入れがされていないため、石垣の一部は崩落の危険があり、同町や警察は登山をしないよう呼びかけている。整備しようにも、石垣の修復だけでも億単位の予算が必要で、同町単独では整備は困難なため、国史跡の指定を受けることで、国からの補助を受けて整備を進めたい考えだ。

 町は、今年度から本格的に国史跡に向けた申請の準備を進めている。しかし、史跡指定に向けては約100人に上る山の所有者の同意が必要で、史跡指定は早くても3年後。その間、さらに遺構の崩落が進む恐れもある。

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