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【投票へ行こう!】一人一人が意志示せ 建築家の安藤忠雄さん(73)

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【投票へ行こう!】
一人一人が意志示せ 建築家の安藤忠雄さん(73)

安藤忠雄さん

 大阪都構想についての賛否がどうであれ、住民投票が行われるということ自体、大阪の歴史上、ひとつの転機であることは疑いがないだろう。

 大阪のまちの歴史を振り返ってみると、昔から「商人の街」であり、官に頼らない市民主導型のまちづくりを行ってきた。大正14年の市域拡張によって、文字通り日本一の大都市となり、市民は誇りを持って「大大阪」と呼んだ。

 水都大阪の橋、中之島の府立図書館、中央公会堂など民間の手でつくられた建築が、今も大阪の景観を構成する重要な要素となっている。再建された大阪城も、大阪を愛した人々からの寄付金によるものだ。

 これらをみても、現在の大阪の中心は先人たちの公的精神と市民のまちへの深い愛情と強い絆によってつくりあげられてきた。

 この自主独立の精神が失われたとき、大阪の低迷は決定的になった。かつての誇りと元気を失ってしまった大阪に少しでも活力を取り戻せないかと、約8キロにわたる大川の桜の植樹やJR大阪駅周辺の緑化運動に、呼び掛け人の一人として参加してきた。

 こうしたことは、市民一人一人がアイデアを出し、民も官も立場を超えて協力し、実現していくものだ。

 大阪の将来像をどう描くかは市民の自由だが、一人一人が意志表示しなければ何も始まらない。住民投票は大阪市民である覚悟を求められていると受け止めるべきだろう。

=おわり

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