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【衝撃事件の核心】「追い出し部屋」で1人勤務、飛び込み営業ノルマ1日100件 証券マンの悲哀…「退職強いる目的」大阪地裁が賠償命令

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【衝撃事件の核心】
「追い出し部屋」で1人勤務、飛び込み営業ノルマ1日100件 証券マンの悲哀…「退職強いる目的」大阪地裁が賠償命令

日の出証券大阪本店が入るビル。大和証券と協力し、社員に「嫌がらせ」をしていたとして賠償を命じられた=大阪市中央区

 仕事場として案内されたのは、長机にパイプ椅子(いす)が並ぶ「追い出し部屋」だった。大和証券(東京)からグループ会社の日の出証券(大阪)に出向・転籍した男性社員(42)が、勤務先で度重なる嫌がらせを受けたとして両社に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は4月、両社に慰謝料150万円の支払いを命じた。男性は歓送迎会や部内の会議にも呼ばれず、1日100件の飛び込み営業のノルマを課されたほか、獲得した新規顧客との取引すら妨害されたという。地裁は判決で、男性を退職に追い込む動機があったとして、両社が協力して嫌がらせをしたと認定した。大手証券グループの陰湿な嫌がらせの実態とは-。

部内連絡網に名前なし

 閑散とした100平方メートルの空間に、ロの字型に長机が配置され、そこにパイプ椅子が並んでいた。机の上にあるのはパソコン1台と電話が数台。人けのない殺風景な部屋を見渡し、男性は直観した。

 「ここは『追い出し部屋』に違いない」

 男性は平成10年に大和証券に入社し、24年10月1日付で営業本部付課長代理として日の出証券に出向。1カ月あまりの研修を受け、11月12日付で大阪本店営業部に配属された。ところが、営業部の部屋に席は用意されず、同じフロアにある「第2営業部」の部屋に案内された。すでに第2営業部は廃止されており、空室になっていた。

 追い出し部屋とは、企業がリストラ対象社員を自己都合退職に追い込むために用意する部屋を指す。社員を「隔離」することで他の社員とのコミュニケーションを遮断し、まともな仕事を与えないのが特徴だ。社員を実質的な〝失業状態〟にし、精神的に追い詰めて退職を促す手法として社会問題化した。

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