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【戸津井康之のメディア今昔(27)】一揆映画その背景 伝承される民衆の魂描く

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【戸津井康之のメディア今昔(27)】
一揆映画その背景 伝承される民衆の魂描く

「新しき民」の山崎樹一郎監督。「都市を描いた映画が多いが、日本はほとんどが山なんです」と地方にこだわる理由を語った

 戦国時代の三大武将、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をはじめとする権力者らの出世物語は脚光を浴び、しばしば映画化されている。一方、そんな英雄譚の陰で、地方でわき起こった民衆の一揆を描く歴史映画も地味ながらたびたび作られてきた。今秋から全国で公開されることが決まった「新しき民」は、岡山県北東部の津山藩領で享保11(1726)年に起こった山中一揆(さんちゅういっき)を題材にした意欲作。地元で語り継がれてきた史実を忠実に再現した渾身の映像が、歴史に埋もれた民衆の記録に光を当てる。

「先祖の誇り」伝えて

 「高校生の頃、岡山出身の父に聞いた山中一揆の話がずっと気になっていました。地元ではそれぞれが祖父や父から伝承される重要な史実で、いつか映画化したかった」。こう語る山崎樹一郎監督は、9年ほど前から岡山県真庭市で農業を営みながら、映画製作に取り組んでいる。

 山中一揆は津山藩の記録で「山中騒動」と記される史実。年貢米の過酷な取り立てに数千人の農民が立ち上がり、藩と交渉の末、年貢の一部免除を約束させるが、藩は巧みに農民側を分断。武力鎮圧で51人が処刑されたという。

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