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【私の時間 シネマ】軽妙な「語り」が使命 大泉洋 「駆込み女と駆出し男」

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【私の時間 シネマ】
軽妙な「語り」が使命 大泉洋 「駆込み女と駆出し男」

大泉洋さん(山田哲司撮影)

 立て板に水が流れるよう。次々と言葉があふれてくる。「しゃべるのが好きなんですよ。(映画の)舞台あいさつでも、少しでも多くの話をしようと早口になる」と笑う。「役と似ているかもしれないですね」

 主演映画「駆込み女と駆出し男」が16日、公開される。井上ひさし氏が晩年11年かけて連載した時代小説「東慶寺花だより」を原案に原田眞人監督が脚本も手掛け、映画化。江戸時代後期、縁切り寺である東慶寺に離縁を求めて駆け込んだ女の聞き取り調査を行う御用宿の居候が、女たちの再出発を手助けするさまを笑いと涙を交えて綴る。

 主人公は医者見習いで戯作者志望。「自分の興味に正直に生きる無邪気なかわいい人」と称した。「だから40代のオッサン(自身)が現場でメークさんにかわいい感じにしてと頼んだ」と笑う。

 役柄は医者として病を治したいが、戯作者の道も捨てられない。「僕も役者とタレント、全国と北海道と2つの道を持っている。そこも近いかな」。強い女性にリードされるところについては、「家庭では、妻に引っ張ってもらっているところが多分にあります」と笑わせた。

 江戸後期は表現への幕府の規制が厳しく、自作を出版できない戯作者は自ら物語を語り始めた。その語りが魅力的で落語家のような存在だったと知った。「皆さんに心地よくせりふを聞いてもらうことが、僕が演じる使命なのかなと」

 自身の話し好きは幼い頃から。小学生の頃、親が車中で流す落語のテープを聞いて好きな演目を暗記。テレビ好きの父と一緒にさまざまなバラエティー番組を夢中で見るうち、自然に話術が身についた。「先生に怒られた記憶は、『しゃべるな、黙れ』しかない」。ひょうきんで、クラスの人気者。「当時はとてつもなくもてました。でも中学、高校となると面白いだけでは全然…」と“自虐トーク”もよどみない。

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