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【経済裏読み】三洋の元会長、夜回りに答える「銀行にだまされたと言わせたいんやろ」…“消滅”で、かつての番記者が聞きたかったこと

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【経済裏読み】
三洋の元会長、夜回りに答える「銀行にだまされたと言わせたいんやろ」…“消滅”で、かつての番記者が聞きたかったこと

かつての三洋電機本社。守口市に売却され、近く市庁舎として使われる

 大手総合家電メーカーの一角を占めた三洋電機が4月で事実上、消滅した。直轄事業の売却を終え、全社員は親会社のパナソニックに転籍、法人格を残すだけとなった。この機に社長、会長として栄光と挫折を経験した井植敏氏(83)の自宅への夜回り取材を試みたところ、「関係ない」「忘れた」と繰り返し、往年の名経営者の面影はなかった。ただ、銀行については「だまされたとしても、だまされたほうが悪い」と語り、浅からぬ恩讐を浮き彫りにした。(松岡達郎)

なにわのジャック・ウェルチ

 初めに井植敏氏について説明しておく。創業者の井植歳男氏の長男で、昭和31年に三洋に入社、テレビ事業本部長として米国のテレビ工場を買収するなど積極的な仕事が注目を集め、61年に社長に就任した人物だ。会長時代を含め20年にわたり三洋の経営トップとして君臨した。

 三洋の多角化戦略を主導し、家電に加えて金融などにも事業分野を拡大するとともに、半導体などへの大規模投資を打ち出し、16年3月期の連結売上高は2兆5千億円に上った。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の当時の経営者の名前にあやかって「なにわのジャック・ウェルチ」と呼ばれたこともあった。

 ところが、ITバブルの崩壊後、総花経営があだとなり業績が悪化し、16年10月の新潟県中越地震で半導体工場の被災が予想以上に大きく、それを機に経営危機が表面化した。17年3月期は1700億円超、翌18年3月期は2千億円超の最終赤字を計上した。

 ある元三洋社員は「すべて地震で経営危機に陥ったといわれるが、もっと前から家電事業が不振になっていて実際の社内は火の車。それが地震で一気に表にでたということ」と振りかえる。

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