産経WEST

【ビジネスの裏側】都市ガス小売り自由化直前、新たな参入者との競合に募る公営ガスの苦悩

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【ビジネスの裏側】
都市ガス小売り自由化直前、新たな参入者との競合に募る公営ガスの苦悩

ガス小売りの全面自由化への対応を急ぐ大津市企業局

 ただ、それだけに全面自由化後は、事業エリアが絶好の草刈り場となる可能性が高い。「関西電力が乗り出してくるかも」。大津市の関係者はこう懸念する。ガス小売りが部分的に自由化されて以降、関電はガス販売を強化。販売量は都市ガス大手3社に次ぐ規模になっている。

 また、京阪神地区とガス導管がつながっている大津市には、兵庫などにLNG(液化天然ガス)基地を持つ関電にとってガス供給が容易。「大都市と近接しているがゆえに大津市は危機感が強い」(エネルギー業界関係者)。自由競争時代を勝ち抜く鍵は、アイディアあふれる多彩なサービスだ。いかにサービスを充実させるかが武器になる。

 機動性に足かせ

 電気、ガス、通信のセット販売、割安な料金メニュー…。電力・ガスの市場改革では、これまでになかったサービスの登場が期待されている。参入各社は新たなサービスに知恵を絞っている。

 ただ、公営ガス事業の場合は事情が変わってくる。料金、予算の変更には議会の承認が必要だ。「承認に数カ月かかる間に、民間企業はすぐに料金を値下げできる。不利な立場にある」(エネルギー業界関係者)。

 このため仙台市ガス局は改めて民営化の検討を始めた。背景には公営企業では自由競争の条件をそろえにくい状況に置かれていることもありそうだ。約10年前にも民営化の方針を表明。20年に事業を引き継ぐ企業を公募したが、応募した東京ガスなどのグループが21年1月に辞退し、頓挫した経緯がある。

「産経WEST」のランキング