産経WEST

【希望を奏でる左手(1)】大学3年の夏、右手に違和感 コンクール通過も症状悪化 ピアニスト 有馬圭亮さん

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【希望を奏でる左手(1)】
大学3年の夏、右手に違和感 コンクール通過も症状悪化 ピアニスト 有馬圭亮さん

「左手のピアニスト」の有馬圭亮さん(南雲都撮影)

 手指や唇などが思うように動かなくなる局所性ジストニアを右手に発症したピアニスト、有馬圭亮さん(25)が、左手のみの演奏で活動の幅を広げている。19世紀の作曲家、シューマンがピアニストの夢を断念した原因となった脳神経疾患ともいわれ、現在でも有効な治療法が見つかっていない。有馬さんにこれまでの歩みや将来の方向性などを聞いた。 (聞き手 栗井裕美子)

 --左手のみのピアノ曲は珍しいです

 有馬 18世紀ごろに始まり、これまで約3千曲が作曲されたといわれています。特に、第一次世界大戦、第二次世界大戦中、従軍して負傷したピアニストのために多く作曲され、発展しました。戦争で心も体も傷ついた人々に希望を与えた楽曲です。しかし時代とともに忘れられ、楽譜も世界中に散らばった状態にあります。

 --その魅力は

 有馬 両手用の曲に比べて音が少なくシンプルですが、余計なものをそぎ落としている分、大事な音楽的要素が詰まっていてごまかしが効きません。白と黒のモノトーンの世界の水墨画に例えるピアニストもいます。墨の微妙な濃淡で表現しますが、一つ一つの音をよく練って奏でる片手のピアノと確かに似ています。

 --少しずつ知名度が上がってきています

 有馬 片手用に作曲・編曲された曲集を出版したり、それらをピアニストが演奏した動画をホームページにアップする活動に参加して、復興と普及に努めています。私の先生でもある左手のピアニスト、智内威雄(ちないたけお)さんが始めた「左手のアーカイブプロジェクト」という取り組みです。人権教育の一環として小中学校に招かれて講演と演奏をすることも多いです。

 --約1年前に発売した初のCD「有馬圭亮 左手のピアノ・アルバム~vol.1 シャコンヌ~」も好評とか

このニュースの写真

  • 大学3年の夏、右手に違和感 コンクール通過も症状悪化 ピアニスト 有馬圭亮さん
  • 大学3年の夏、右手に違和感 コンクール通過も症状悪化 ピアニスト 有馬圭亮さん
  • 大学3年の夏、右手に違和感 コンクール通過も症状悪化 ピアニスト 有馬圭亮さん
  • 大学3年の夏、右手に違和感 コンクール通過も症状悪化 ピアニスト 有馬圭亮さん

「産経WEST」のランキング