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【九転十起の女(3)】朝ドラにネタ本…著者が、いま明かす創作秘話

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【九転十起の女(3)】
朝ドラにネタ本…著者が、いま明かす創作秘話

次回朝ドラの原案本「小説土佐堀川」を手にする筆者の古川智映子さん=埼玉県所沢市の自宅

 次回朝ドラ「あさが来た」の原案本「小説土佐堀川」はいまから27年前、昭和63(1988)年に潮出版(東京都)から出版された。

 「原作」でなく「原案」となっているのは、ドラマでは主人公の名前を変え、本から離れて自由に物語を展開するからだが、NHKがヒロインを発見したのは「小説土佐堀川」に相違ない。

 著者は埼玉県所沢市在住の作家、古川智映子(83)。

 これまでに8冊の単行本を出しており、幕末の尊皇派女性志士・松尾多勢子を取り上げた「赤き心を」、津軽弘前藩主に嫁いだ家康の養女・満天姫の生涯を書いた「風花の城」など、歴史に埋もれた女性ヒロインが多い。資料をたんねんに調べ、その上で創作する。

 「小説土佐堀川」はそんな歴史小説家、古川が56歳で出した第1作だ。

 「朝ドラに取り上げられるなんて。しかもずいぶん前に書いた本ですから。びっくりしています」

 足を痛めて取材活動が不自由になり、ここ数年は執筆は途切れがち。突然の朝ドラ旋風にとまどい気味だが、いたって元気だ。

 「この作品は私にとって、不思議な力を与えてくれた本なのです。生涯特別な存在となりますね」

 青森県弘前市の出身。東京女子大文学部日本文学科を卒業後、国立国語研究所勤務や東京の私立高校国語教師などをへて、執筆活動に入った。

 書くことが好きで、知り合いに頼まれ地元紙にエッセーを書いたりしていたが、本気で作家をめざしたのにはひとつのきっかけがある。

 「32歳でね、家庭が破綻(はたん)しましたの」

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