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【正木利和のスポカル】中国の投資銀、織田信長、青いロイヤルコペンハーゲン…陶磁器で歴史は動いた

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【正木利和のスポカル】
中国の投資銀、織田信長、青いロイヤルコペンハーゲン…陶磁器で歴史は動いた

フローラダニカの絵付けをするペインターのマーレン・ユルゲンセンさん=大阪市北区

 「18世紀、海運国家だったデンマークは中国に船団をおくり、陶磁器など中国の品を大量に仕入れては、他国に売るという貿易で大もうけしました。中国との取引は潤うものであるという感覚は、このあたりから始まったのでしょう。ところが、自分たちが作れるものなら、その方がいいんじゃないか、という考えがでてくる。輸送コストがカットできるからです。そこで、デンマークは国家的なプロジェクトとして磁器の製作に取り組むようになるのです」

 こんな風に、デンマーク王室が磁器の作製を手がけるようになった背景からは、当時の中国(清国)が国際経済や製陶技術に及ぼした影響をうかがうことができる。

 実は、いま中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、デンマークをはじめ英仏独といった欧州諸国が15カ国も参加申請していることを不思議に感じていたのだが、なるほど欧州諸国には中国を魅力的な商売相手としてみる遺伝子がそのころから組み込まれているのだと思えば、妙に納得がいく。

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 「富裕層は豪華なものを好みます。とりわけ、お金以上に王室から贈られる陶磁器の方を喜んだ。それが権威あるものだからです。金で買えない価値が当時の陶磁器にあったということです」

 「茶器」と「権威」といえば、日本では安土桃山時代。戦国の覇者、織田信長は今井宗及らから名品茶道具を献上されたのを契機に、全国の名だたる茶道具をあさったといわれる。いわゆる「名物狩り」だ。集めた名品茶器は「一国一城」にも相当するほうびとして、家臣に与えられた。権力をほしいままにした信長は「権威」のシンボルとして茶器を扱いはじめたのだった。

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