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【衝撃事件の核心】自ら命を絶つオレオレ詐欺被害者のもう一つの悲劇 「なぜだまされた」家族から責められ自責、孤独、苦悩

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【衝撃事件の核心】
自ら命を絶つオレオレ詐欺被害者のもう一つの悲劇 「なぜだまされた」家族から責められ自責、孤独、苦悩

オレオレ詐欺に遭い自殺した人の遺族から多くの相談を受ける篠原鋭一さん=千葉県成田市

 「妻の両親にとっても大金だったのに」「申し訳ないことをしてしまった」。なりすまされた夫は鬱(うつ)病を発症し、自殺した。

 自分がオレオレ詐欺に引っかかってしまったせいで夫を死なせてしまった-。女性は自責の念にさいなまれ、「中学生の息子を両親に預け、夫の後を追います」と繰り返した。

 「こうした内容の相談電話はここ数年、増え続けている」と篠原さん。平成7年から自殺に関する電話相談を受け付けているが、近年はオレオレ詐欺にまつわるものが急激に増えているという。

「おばあちゃんを責めた」と涙

 篠原さんによると、昨年は1年間で約20件もの相談が寄せられた。ほとんどは自殺した被害者の遺族からなのだが、中でも多いのは「だまされた家族を責めてしまった」と後悔する気持ちを告白する内容だ。

 1月に電話してきた北陸地方の30代の男性のケースが、そうだった。

 「おばあちゃんの供養をしたいんですが、どうしたらいいですか」

 ためらいがちに切り出した男性に理由を尋ねると、男性は、祖母がオレオレ詐欺にだまされて大金をだまし取られ、自殺したことを明かした。

 犯人は男性になりすまして祖母に電話をかけたといい、「会社の金を使い込んだ」というウソに、祖母は150万円を振り込んでしまった。男性や家族はオレオレ詐欺に引っかかった祖母を責め、やがて祖母は命を絶った。

 男性との電話は2時間以上に及んだ。男性は、祖母の自殺の一因は自分が責めたことだと感じているようだったといい、電話の声はいつしか、泣き声に変わっていた。

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