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【西論】世界文化遺産に「高級マンション」!? 下鴨神社が投じた一石…真に守るべきもの見極めよ

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【西論】
世界文化遺産に「高級マンション」!? 下鴨神社が投じた一石…真に守るべきもの見極めよ

 世界文化遺産の下鴨神社(京都市左京区)が境内に高級集合住宅を建設する計画を発表し、議論を呼んでいる。

 今年は21年に1度の式年遷宮に当たるが、社会の変化や長引く不況で思うように寄付金が集まらないなかの苦肉の策だ。50年の期限付きで土地代として年間約8千万円の収入を見込み、費用などに充てる考え。理解を示す人、非難する人と反応はさまざまだが、現代に伝統を守る難しさ、次代へ引き継ぐための課題が浮き彫りになっている。

原風景を残す森

 下鴨神社は正式名、賀茂御祖(かもみおや)神社。京都三大祭の一つ「葵祭」で知られる。起源は平安京の建設以前にさかのぼる日本有数の古社だ。境内の鎮守の森は『枕草子』や『源氏物語』にも登場する「糺(ただす)の森」として市民に親しまれてきた。都市部にありながら約12万4千平方メートルの敷地に古代山城原野の植生を残す世界でも希少な森で、一帯は平成6年、「古都京都の文化財」の一つとして世界遺産に登録された。

 そこに住宅建設が持ち上がったのだから注目されるのは当然だが、建設予定地はその指定区域外、南側の隣接地だ。現在は同社の有料駐車場や研修施設があり、解体して計8棟107戸を分散して建てる。ただし、世界遺産の周辺環境を保護するための緩衝地帯(バッファゾーン)に当たるため、鉄筋3階建ての和風建築とし敷地内には糺の森と同じニレ科の樹木を植える方針。同社は2年から進めている森の整備事業の第3期と位置づけている。

 昨年から同社と事前協議をしてきた京都市も、当初計画から戸数が減り、表参道の整備など「景観に配慮された内容」(景観政策課)と理解を示す。

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