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【関西の議論】「キングオブ害獣」シカを食べて駆除 ジビエブームに乗じて食害防止新施策 兵庫県

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【関西の議論】
「キングオブ害獣」シカを食べて駆除 ジビエブームに乗じて食害防止新施策 兵庫県

兵庫県内で目撃された夜間に活動するシカ(兵庫県森林動物研究センター提供)

 また県は、狩猟初心者や未経験者に知識や技術を教える有害鳥獣捕獲入門講座「狩猟マイスター育成スクール」を開催。ベテランが引退する前に、若年層に狩猟技術を定着させたい考えだ。

食肉処理の問題

 ただ、猟師を育てて捕獲頭数を維持したとしても、実際に消費者へ届くまでには、いくつかの問題が立ちはだかる。実は全国でシカなどを食材として活用できているのは、全体の捕獲数のわずか5%ほどなのだ。兵庫県も例外でなく、食肉処理されているシカは全体で千頭にも満たない。

 兵庫県丹波市氷上町のシカ肉加工販売業「丹波姫もみじ」の柳川瀬正夫社長(65)は「持ち込まれるシカは、狩猟犬にかまれていたり、銃弾が内臓破裂を引き起こしていたり、血抜きが甘かったりするのがほとんど。有効活用が難しい」と説明する。

 同社の敷地内にある「鹿加工組合丹波」の加工、活用処理施設には年間1300頭のシカが運び込まれるが、実際に食肉として利用できるのは250頭程度。さらに、1頭のシカのうち、食肉やドッグフードなど商品に利用できる部位は約25%に過ぎない。「利用部位が少ないのがもったいない。野生動物なので大量生産もできない」とため息をつく。

 捕獲から加工に至る過程のなかで、捕獲したシカの放置事例も問題になっている。基本的に野生動物を現場で解体することは禁止されているが、県内に7カ所ある食肉加工施設やストックポイント(中継所)への距離が遠かったり、運搬が難しかったりした場合、狩猟者がそのまま山に放置していくことも少なくない。放置されたシカは、イノシシやクマのエサになり、別の害獣の繁殖要因にもなるという。

 県は今年度予算で、捕獲したシカの運搬に使用する冷凍・冷蔵庫のリース代や購入費の一部を助成することを決めた。

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