産経WEST

【知財立国への道~特許制度130年(下)】「ASEANを第2の中国にするな」偽ブランド大国化防止へ 日本は知財戦略に危機感を

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【知財立国への道~特許制度130年(下)】
「ASEANを第2の中国にするな」偽ブランド大国化防止へ 日本は知財戦略に危機感を

 東南アジア諸国連合(ASEAN)で、自動二輪のメーカーとして誰もが知るホンダの担当者は平成25(2013)年1月に進出したミャンマーで偽ブランドにこれほど手を焼くとは思わなかった。正規販売店の近くでも「HONDA」の偽看板を掲げた店が営業し、ホンダ製を偽った模倣オートバイが堂々と売られているのだ。

 実は、ミャンマーではブランドなど知財を守る法律が運用されていない。当然、知財に対する認識も国民に根付いていない。偽ブランドの店主らは「ホンダ製ということにすると二輪が売れる」と悪びれる様子はなかった。法律がない以上、捜査当局に訴えることができず、ホンダの社員は模倣品店舗に何度も足を運び、商標権侵害になると店主を説得し、看板を外してもらっている。

 ホンダ知的財産部の別所弘和部長は「捜査当局には一切頼れず、当事者と一件ずつ時間をかけて交渉するしかない」と打ち明ける。

  ◇

 知財は保護するものというのは日本や欧米などでは常識だが、アジアなど新興国では必ずしもそうではない。

 知財の法律や制度の運用が遅れるミャンマーだけでなく、インドネシアやカンボジア、ブルネイ、タイ、ラオスでは知財の審査基準が明確に定められていない。基準がなければ、審査官によって手法や結果が違ってくる。

 アジアの経済大国として知られるシンガポールでさえ最近まで特許審査を先進国の特許官庁に外注していた。26年2月に自前審査に切り替えたが、審査官の人数と経験の不足が悩みの種だ。日本では申請から特許取得まで平均約20カ月だが、ASEAN諸国では5年以上かかる場合もある。

「産経WEST」のランキング