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【知財立国への道~特許制度130年(上)】音・色彩・動きなど商標に 周回遅れの解消の商機とリスク

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【知財立国への道~特許制度130年(上)】
音・色彩・動きなど商標に 周回遅れの解消の商機とリスク

 ただ、この改革は、世界標準でみれば周回遅れの解消にすぎない。

 グローバル企業の多い米国では言語の壁を越えて印象づけができる音や色彩の価値が注目され、約70年前に商標登録がスタート。その後、欧州各国が続き、最近は韓国などでも登録が始まっている。

 海外で商標の範囲が拡大する背景には、経済連携協定(EPA)などの活発化がある。交渉過程で関税の撤廃とともに、相手国に知財保護の徹底を求めることが多いからだ。

 日本では企業に音や色彩を活用する機運が盛り上がらなかったため、「商標意識が低いまま登録する商標の対象を増やすと海外企業ばかりが登録し、日本企業の権利が阻害される」(知財専門家)と二の足を踏んできた。

 しかし、日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に入ったことで政府がようやく動いた。

     

 そのなかで、日本で古くから音を積極的に活用していた企業がある。

 久光製薬は25年前からCM効果音として使用し、欧米など40カ国以上で音の商標を登録。同社法務部の堤信夫部長は「音は耳に直接訴えかけることで消費者の意識に残る魅力ある宣伝商材だ」と力説する。

 もともと昭和9年発売の看板商品「サロンパス」が社名より有名だったが、音効果で社名の知名度が上がり、サロンパス以外の売り上げを底上げ。知財専門家は「25年前から増えた売上高約900億円の大半が音効果ではないか」とみる。

 一方で、リスクも潜む。

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