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【「正論大賞」記念講演会詳報】西岡力教授「朝鮮半島は南北で体制の危機を迎えている」「従北派が浸透する韓国…」

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【「正論大賞」記念講演会詳報】
西岡力教授「朝鮮半島は南北で体制の危機を迎えている」「従北派が浸透する韓国…」

第30回正論大賞受賞記念大阪講演会で講演する西岡力氏=3月19日午後、大阪市北区のリーガロイヤルホテル(恵守乾撮影)

 だが、北朝鮮は日本に接近することを決めただけで、拉致被害者らを帰国させることを決めたわけではない。北朝鮮のような独裁国家では独裁者の決済が絶対だ。トップである金第1書記が拉致被害者を帰国させる決断をしたという保証を得ないまま、先代の決済を覆させることは困難を極めると思う。

 日本政府は拉致被害者らの生存と、帰国させるという保証を取ってから再調査に臨むべきだった。マスコミは秘密警察で構成する特別調査委だからと沸き立ったが、再調査しても北朝鮮が「すでに死亡していた」と報告したら信じるべきだという話になりかねない。

 一方で、私は北朝鮮が生きている人を殺して死亡報告書を作ることを検討しているという情報や、北朝鮮が日本のDNA鑑定技術について調べ、欧州の病院で実験までしたという内部情報も得ている。「われわれにはしっかりとした生存情報がある」と言い続け、北朝鮮が偽の死亡報告書を出してきたら、その瞬間に「拉致被害者を殺した」と叫ぶなど、北朝鮮の嘘を指摘する“情報戦”を展開するべきだ。

 昨年9月の日朝協議で、当初は北朝鮮が何らかの調査結果を出してくるとみられたが、結果として通報はなかった。当時、北朝鮮は国連を恐れていた。金第1書記が国民に対する人権侵害で国際刑事裁判所に訴追される恐れが出てきたため、北朝鮮はすべての外交力を国連にシフトしたのだ。

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