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【心に寄り添う、歌う尼さん(4)】がんの手術と事務所の倒産、「痛み」に寄り添いたいと思った シンガー・ソングライターで僧侶、やなせななさん

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【心に寄り添う、歌う尼さん(4)】
がんの手術と事務所の倒産、「痛み」に寄り添いたいと思った シンガー・ソングライターで僧侶、やなせななさん

平成24年ごろ、寺院コンサートを行うやなせななさん。歌う尼さんとしての活動を本格化させていった(本人提供)

 --本格的にプロとしての音楽活動を始めて間もない29歳のときに、子宮体がんが発覚しました

 やなせ 体調不良を感じ始めたのは平成17年の5月、初めてのアルバムを出したころです。食べても食べても痩せ、月経不順もありました。どこかが痛いということはないけれども、「何かおかしいな」と思い病院に行ったのですが、そこでは特に問題なしと言われました。けれどやはり症状が続くので別の病院にいったところ、子宮体がんと診断されたんです。

 --突然のがん宣告に、大変ショックを受けられました

 やなせ がん自体は比較的初期だったのですが、子宮と卵巣の全摘出が必要と告げられました。それは女性を諦めなければならないという事実で、まだ若いし結婚もしたい、いつか子供も産みたいと考えていたのでショックでした。でも摘出しなければ現実に迫ってくる「死」というものを初めて身近に感じ、怖いという言葉では表現できないくらい怖く、つらかったです。そのころは音楽活動もあまりうまくいっておらず、弱っていましたね。

 --平成18年2月に手術を受けられました

 やなせ あまり病気や手術のことを人に話していなかったので、その前後も無理をして音楽活動をしていました。けれど手術した直後に所属事務所が倒産し、音楽の後ろ盾も失って何も考えられないくらい絶望しました。けれど当時一緒に活動していたミュージシャンが、「歌を作って歌う人は、どんなことがあっても歌を作るべきだ」と言ってきたんです。がんになろうが事務所がなくなろうが、歌を歌うべきだと。すごくきつい言葉だったんですがありがたくて、本当にその通りやなと。その言葉に励まされて、また新しい歌を作って届けたいという強い意志が生まれ、しばらくは一人で曲を作ったりコンサートを開いたりしていました。

 --がんを経験されて自身の中で変わったことは

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