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【心に寄り添う、歌う尼さん(1)】内弁慶で友達少なかったが、身近にお寺の生活があった シンガー・ソングライターで僧侶、やなせななさん

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【心に寄り添う、歌う尼さん(1)】
内弁慶で友達少なかったが、身近にお寺の生活があった シンガー・ソングライターで僧侶、やなせななさん

教恩寺住職でシンガー・ソングライターのやなせななさん

 シンガー・ソングライターと僧侶。一見縁が遠そうな2つの仕事を両立させ、生家の寺の住職を務めながら各地の仏教系寺院で精力的にコンサート活動をしているやなせななさん(39)。昨年でデビューから10年。がんによる闘病生活や、お世話になった人々が被災した東日本大震災のショックなどを乗り越え、人々の悲しみや喜びに寄り添う歌を歌い続けてきた。どちらか一つでは表現できない、「歌う尼さん」の活動に込める思いとは-。(聞き手 杉侑里香)

 --シンガー・ソングライターと僧侶を両立する生活というのはなかなか想像がつきません。日々の活動はどのようにされているのですか

 やなせ まず僧侶としての生活ですが、毎日の本堂での読経は欠かせません。またうちは門徒さんが30軒ほどの小さなお寺ですので、それぞれのお宅に週に1度ほど参らせていただき、あとは月に1度、本堂に集まっていただくお勤めの行事があります。それと並行して作曲・作詞活動や各地にコンサート活動に出ていくという感じですね。

 --住職を務めている教恩寺が生まれ育ちの場所です。代々お寺の仕事を続けられているのですか

 やなせ 江戸時代の終わりにご先祖さまが移り住んだのがはじめ、と聞いています。私で6代目ですが別の職業を持ちながらお寺の役割を果たすという、いわば兼業僧侶を代々続けています。私は3人きょうだいの末っ子で、両親はともに医師で激務だったので、幼いころは主におばあちゃんが私たちの面倒を見ながらお寺の仕事を守っていました。

 --小さいころからお寺の生活というものが身の回りにあったのですか

 やなせ 毎日本堂でお経を唱えるというのは、子供でもやらなければならないことでした。ことわざにもありますが、字が読めるようになる前から大人のお経を耳で聞いて、自然と唱えるようになりましたね。赤ちゃんの時に仏様に向かって手を合わせている写真も残っています。うちのお寺の場合はお経を唱えるのは夕方で、午後5時に町内で流れる音楽を聴くとすぐに本堂に帰らないといけないよ、というおばあちゃんとの約束がありました。小学校のころは、欠かしたことはありませんでしたね。

 --幼いころはどんな子供でしたか

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