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【経済裏読み】「なんだか三洋と似てきた?」“誤算”シャープ、主力行に資本支援要請で迎える重大局面

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【経済裏読み】
「なんだか三洋と似てきた?」“誤算”シャープ、主力行に資本支援要請で迎える重大局面

業績予想の下方修正を発表したシャープの高橋興三社長=2月3日、東京都港区(栗橋隆悦撮影)

 増資がなければつぶれていたとも言われるなか、優先株は一定期間で1株70円で普通株に転換できる条件がつき「屈辱的なダンピング」(関係者)ともいわれた。出資の見返りに金融3社が手に入れた優先株は普通株換算で発行済み株式の約7割(議決権ベース)。金融3社の“監督下”で事業の選択と集中を余儀なくされた。

 「総合家電からの撤退」を掲げ、AV(映像・音響)や半導体、白物家電、金融事業などの売却・撤退を視野に入れて規模を縮小したうえで、経営資源を電池やデジタルカメラといった事業に集中するシナリオだった。

 ただ、17年から社長を務めていた創業家出身の井植敏雅氏は金融3社の不採算事業の“圧力”に対し「売却・撤退しない道もある」と対立が目立ち、結局は19年4月に退任。後任社長の佐野精一郎氏は金融3社の面接で選ばれたとも言われた。

 その佐野氏のもとで三洋は20年3月期連結決算で4年ぶりに最終損益を黒字に転換。監査法人が企業の存続可能性に重大が疑義があるときに記す「注記」も2年半ぶりに消し、経営再建に望みをつないでいた。

 ところが、20年9月のリーマン・ショックで状況が一変。GSなどは利益を見込めるうちに三洋株を手放す意向を強め、海外を含めて売却先を探したが、最終的にはパナソニックが買収することに決まった。

正念場

 その後、円高に加え、中国や韓国メーカーの台頭もあって三洋の電池事業などの競争力が低下。パナソニックは三洋買収に8千億円を投じたが、三洋の企業価値の低下に伴う損失だけで計5千億円にのぼるとされる。三洋への風当たりが強くなり、パナソニックと重複する冷蔵庫や洗濯機などの白物家電やデジカメなどの事業は海外企業などに相次ぎ売却され、人材流出も続いた。そして4月には残っていた三洋の全社員がパナソニックに転籍となる。直轄する最後の事業も月内に売却されると発表され、三洋は登記上の法人格を残すのみとなる。

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