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【衝撃事件の核心】盗まれた「企業秘密」~エディオン事件 遠隔操作ソフト仕込み、元部下に〝スパイ行為〟 裏切りの一部始終

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【衝撃事件の核心】
盗まれた「企業秘密」~エディオン事件 遠隔操作ソフト仕込み、元部下に〝スパイ行為〟 裏切りの一部始終

エディオン情報不正取得事件の構図

 元部下を巻き込んだ格好の笹沢容疑者。社員から営業秘密を受け取ると、冒頭の場面のように、印字した紙を上新の部長に手渡した。この行為によって、同法違反(営業秘密の開示)容疑で再逮捕された(後に処分保留)。

「『さすが』と言われたかった」

 「上新は競争心が薄い。そのことを理解してもらった方がいいと思って渡した」。そう動機を供述している笹沢容疑者。だが、「情報を渡せば『さすが笹沢部長』と格好が付くし、今後の仕事や人間関係につながると思った」とも。強い向上心と自己顕示欲の前に罪悪感が薄れていったのかもしれない。

 一方、エディオンが情報流出に気付いたのは、外部から「(笹沢容疑者が)上新に再就職している」との情報が寄せられたことがきっかけ。笹沢容疑者は「退職後1年間は同業他社に転職しない」「在職中に知り得た営業秘密を保有、使用しない」とする誓約書を提出していたにもかかわらず、約束はわずか2カ月後に反故(ほご)にされていた。

 内部関係者が悪意を持って行動に移せば、情報流出は避けられず、すぐに露見もしないかもしれない。昨年3月には、東芝の研究データを提携先の元技術者がUSBにコピーする形で不正取得し、転職先の韓国企業に提供した事件が発覚。同年7月には、通信教育大手ベネッセの大規模な顧客情報流出事件が発生している。

 経済産業省が24年度に全国の企業3011社を対象に実施したアンケート調査によると、「過去5年間で営業秘密の漏洩があったと思う」と回答した企業は13・5%。このうち、「明らかな漏洩」を確認した企業(6・6%)に漏洩経路を尋ねたところ、「中途退職者」が50・3%で最多。次いで「現職従業員らのミス」が26・9%、「金銭目的などを持った現職従業員ら」が10・9%だった。

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