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【関西の議論】
国が主催しない「竹島の日」に“無力感”、韓国活動家・街宣車の騒動に“嫌気”…評価の陰で10年目・地元の思い

一方、抗議活動のため毎年来日している元ソウル市議ら4人が今年も会場近くに現れ、横断幕を掲げるなどしたところ、日本の団体が取り囲み、互いに非難し合うなど一時騒然となった。しかし、県警が4人をマイクロバスに乗せて避難させたため、大きな混乱にはならなかった。
毎年繰り返される不毛な騒動。現場を通りかかった大学院に通う男性(24)は「市民生活に迷惑」とため息をついた。
大きな過ちのツケ
「式典を開いたからと言って、竹島問題が解決するわけではない。むしろ、なぜ解決しないかを考えないといけない」
式典後のシンポジウムで、島根県竹島問題研究会座長の下條正男拓殖大教授はこう強調した。
シンポジウムでは、下條教授と、日本の領土を守るため行動する議員連盟(領土議連)会長の自民党・新藤義孝衆院議員、県竹島問題研究顧問の藤井賢二氏が竹島問題の現状と課題について意見を交わした。
今年は戦後70年、日韓基本条約締結50年の節目の年だが、下條教授が「竹島問題の解決なしには戦後70年も日韓基本条約締結50年もない」などと述べると、会場から「そうだ」という声が上がった。
一方で下條教授は「竹島の日」条例について「韓国を動かし、日本政府の圧力をはねのけた。島根県が竹島問題、領土主権に関わる問題の出発点になった」と評価。また藤井氏は、不法占拠された当時の日本の対応を問題視し、「大きな過ちを犯したツケを、1億2千万人の日本人全員が背負わないといけない」と話し、新藤議員は政府による竹島問題の研究機関設置の必要性を強調した。