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iPS細胞から軟骨組織 京大チームが作製に成功、4年後にも臨床研究へ

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iPS細胞から軟骨組織 京大チームが作製に成功、4年後にも臨床研究へ

 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から軟骨組織を作製することに、京都大iPS細胞研究所の妻木範行教授らのチームが初めて成功した。すでにブタなどに移植して安全性を確認しており、4年後にも臨床研究に入りたいとしている。米科学誌「ステム・セル・リポーツ」のオンライン版に27日掲載される。

 軟骨は関節の曲げ伸ばしで衝撃を吸収する役割を持つが、加齢に伴ってすり減ったり、スポーツや交通事故で損傷したりすると回復が難しく、関節に痛みや炎症が生じるという。

 妻木教授らは、軟骨損傷の患者にiPS細胞から作製した軟骨組織を移植する再生医療の臨床研究を計画しており、平成31年ごろ1例目の手術を実施したいとしている。患者の細胞からiPS細胞を作製する方法のほか、同研究所で備蓄している拒絶反応が少ないiPS細胞を活用することも検討している。

 チームでは、ヒトのiPS細胞に特殊なタンパク質を加えて培養。培養液に浮かせた状態を維持したところ、軟骨の細胞に変化してコラーゲンを作り出し、軟骨組織を形成した。

 この軟骨組織をブタやラットの関節に移植すると周囲の軟骨と一体化し、がん化することはなかった。関節の軟骨を損傷したブタの患部に移植したところ、約30キロの体重を支えることができたという。

 妻木教授は「さらに安全性や治療効果などの確認を進めたい」としている。

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