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【関西の議論】「転勤妻の葛藤」大阪弁が分からず孤立、子供は登校拒否に…ネット普及で“共闘”機運高まる

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【関西の議論】
「転勤妻の葛藤」大阪弁が分からず孤立、子供は登校拒否に…ネット普及で“共闘”機運高まる

 昨年3月に発足した、転勤族の妻のキャリアアップを視野に入れた全国組織「転妻広報大使~TKT48~」もそのひとつだ。各地にチームがあり、ネット上で約千人の妻たちが参加。出身地や転勤先の地域情報をネットで発信するほか、イベント企画部やキャリア企画部、美術部なども設け、目標を見失いがちな妻たちが起業や就職に向けたスキルを磨くことを主眼に置いている。

 同組織を設立したプロデューサー、奥田美和さん(39)は16年前に夫の転勤で新潟県に移って以来、転居した先々で妻たちの悩みに耳を傾けてきた。「TKT48に参加し、ネット上で悩みを共有したり、ランチ会で話したりしてほしい。先輩の転勤妻から話を聞いて、自分なりに転勤生活を楽しめるよう最初の一歩を踏み出して」とエールを送る。

「転勤しないキャリア」選択できる人事制度を

 石破茂地方創生担当相は今年1月、企業での転勤の実態調査を行う考えを表明。「家族のあり方、出生率の向上において転勤が何か作用しているのではないだろうか」と話し、働き方改革の一環との認識を示した。

 「現在の転勤制度は男性だけが制約なく働いていることが前提。働く女性が増え、男性も育児や介護などの制約を抱えるケースが増えた現代の日本社会にとって、デメリットが大きくなっている」というのは父親を支援するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」(東京都千代田区)理事の荒木正太さん(32)だ。

 必要不可欠な人員配置のための転勤もあるが、希望者が少ない部署への持ち回りや「課長昇格時には地方へ」といったルールによるものも。全国展開の大企業だけの問題と思われがちだが、地方の中小企業にも、戦力に育てた女性を夫の転勤で失うことへの問題意識が広がっているという。

 夫にとっても妻や子供にストレスを与えたり、単身赴任で家族と距離ができたりすることは大きな課題だ。荒木さんは「転勤を完全になくすことはできない。それでも、社員が自分の転勤先やタイミングを選べる社内公募制度や、男性でも転勤しないキャリアを選択できるような人事制度が広がれば」と訴えている。

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