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障害持つ自動車盗の累犯障害者に実刑 福祉の支援に言及のない地裁判決に戸惑う関係者 京都

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障害持つ自動車盗の累犯障害者に実刑 福祉の支援に言及のない地裁判決に戸惑う関係者 京都

 懲役1年10月は、長いのか短いのか。自動車盗を繰り返したとして、常習累犯窃盗罪に問われた重度の知的障害を持つ京都市内の男(37)に、京都地裁(後藤真知子裁判官)が24日言い渡した判決。「累犯障害者」への支援について言及がないことも相まって、福祉関係者の間には戸惑いが広がった。

 「被告人を懲役1年10月に処する」。後藤裁判官が主文を言い渡し、判決理由を朗読し始めると、着席した男は膝の上に手を置いてじっとうなだれた。

 青の袢纏(はんてん)に紺のトレーナーとズボン姿。入廷するなり「後で来てくれ」と弁護人に話しかけるなど、緊張を隠せない様子だった。

 男を支援する福祉関係者によると、前日に接見した際、男は「あした裁判に来てくれよ。俺は無罪になるからな」と冗舌に語っていたという。

 取り調べを担当した女性検察官に「出所したらエロ本買う」と告げるなど、突飛な言動を繰り返してきた男。手紙を出したこともあるという後藤裁判官が足早に退廷した後、弁護人には興奮気味に「1年か。もう出られへんのか。俺は出たいんや」と話した。

 男は前回の自動車盗でも懲役2年の実刑判決を受けており、両方の事件で有罪が確定すれば刑期は加算される。

 判決を受け、障害者施設の管理者(53)は男の更生に関し、「裁判だと刑務所に入るか否かの二者択一しか結論が出せない」と指摘。「服役が1年を超えると現在の支援体制が継続して組みづらくなる。期間が長くなり過ぎるのは不安だ」と漏らした。

 また支援員(42)も「目指す方向は刑罰も福祉も一緒とは思うが、地域で培った本人の社会的な能力が減じてしまうことが心配。再犯の抑止力は認めるが、刑務所に入る代償は大きい」と語った。

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