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【関西の議論】昭和レトロが残る「県人寮」が存続の岐路…風呂トイレは共同、マージャン部屋はもう古い?

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【関西の議論】
昭和レトロが残る「県人寮」が存続の岐路…風呂トイレは共同、マージャン部屋はもう古い?

「和歌山県奨学会 東京学生寮」の前で、「東京に出てくる学生も減ってきた」と話す由良さん=東京都調布市

 東京で勉学に励む各県出身者限定の学生寮「県人寮」が岐路に立たされている。戦後の高度経済成長期にこぞって建てられたため築数十年と老朽化が進み、少子化による入寮者減も影響して、建て替え費用の確保もままならず廃寮に至ったところも。マージャン部屋を備えるなど昭和の香りを色濃く残すだけあって、風呂やトイレは共同。現在の「ワンルームマンション世代」には合わないとの指摘もあるが、寮費は食事付きで格安だ。福祉施設との共存を図るケースもあり、各寮で生き残り策の模索が続く。(地主明世)

寮費格安、松下幸之助らの資金援助で建築

 京王線国領(こくりょう)駅を降りて徒歩約15分、住宅街の奥に4階建ての「和歌山県奨学会 東京学生寮」(東京都調布市)がある。寮長の由良嘉輝さん(63)は「昔は周りには何もなくて、広大な土地が広がっていた。外観は建てた当時のまま変わっていません」と話す。

 昭和30年に和歌山出身の参議院議員で外務大臣などを務めた野村吉三郎が故郷の学生のためにと設立を呼びかけ、現パナソニックの創始者、松下幸之助らが資金援助をしたことで知られる。第1期生は31年に入寮し、その歴史は60年を数える。これまで輩出した学生は1500人を超え、最盛期には定員100人が満室になるほどのにぎわいだった。

 しかし、現在は定員55人に対して、入寮者はわずか36人。毎年1月ごろに募集を行っているが、最近は定員割れの状態が続いている。由良さんは「少子化の影響もあるが、不景気で東京に出てくる学生自体が減ったこともある」と原因を分析する。

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