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魚に“へその緒”? 京大が仕組み解明

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魚に“へその緒”? 京大が仕組み解明

一見へその緒のような「栄養リボン」を持つハイランドカープの子供(飯田敦夫助教提供)

 卵ではなく子供で生まれる珍しい魚「ハイランドカープ」が母胎内で栄養を得るためのへその緒のような器官の仕組みを、京都大再生医科学研究所の飯田敦夫助教(発生生物学)らのグループが明らかにした。ヒトなどのへその緒と役割は似ているが、構造などは大きく異なるという。英国のオンライン科学誌サイエンティフィック・リポーツに19日掲載された。

 ハイランドカープは、中南米の高原などで池や沼に生息する淡水魚。体長5センチ前後で、交尾から5週間程度で10~30匹ほどの子供を産む。母胎内の子供は、腹から伸びた数本の「栄養リボン」と呼ばれる器官を通じて、母親から栄養を受け取る。出産時には栄養リボンは消失している。

 飯田助教らは、ハイランドカープの交尾や出産などの様子を観察。母胎内の子供を詳しく調べたところ、オタマジャクシの尾が消えるのと同じような仕組みで一部の細胞が自ら死滅することにより、出産までに栄養リボンが消失することが明らかになった。哺乳類のへその緒とは構造が大きく異なっていた。

 栄養リボンは腸が肛門から体外まで伸びたような構造で、表面から栄養を吸収するとみられる。子供を産む魚類は500種類以上が知られているといい、「こうしたユニークな特徴の仕組みを研究することで、生物の多様性を明らかにしたい」と話している。

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