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【ビジネスの裏側】アサヒ傘下に入った高級老舗料亭「なだ万」の憂鬱…デパ地下、コンビニ進出でブランド力失い、大手の資本にすがる!?

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【ビジネスの裏側】
アサヒ傘下に入った高級老舗料亭「なだ万」の憂鬱…デパ地下、コンビニ進出でブランド力失い、大手の資本にすがる!?

なだ万本店山茶花荘=東京都千代田区

 天保元(1830)年に大阪で初代灘屋萬助氏が創業した日本を代表する高級料亭「なだ万」(東京)がアサヒビールの傘下に入った。アサヒは創業家から発行済み株式の51・1%を取得し、老舗のノウハウを外食企業への営業提案力の強化につなげる考え。なだ万は企業が交際費を削るなか「レストラン部門の採算性が悪化していた」(関係者)といい、百貨店などでの弁当・総菜販売もブランド力や料理人の意欲低下を招いてきたと指摘される。身売りともいえる買収劇までに“和食の雄”に何が起こっていたのか。(織田淳嗣)

 ヴェルサイユ条約、料理の鉄人…老舗中の老舗

 「今まで通り働き、動揺しないように」

 ある「なだ万」店舗では買収報道があった日の朝礼で支配人が、従業員にアサヒビール傘下に入る事実をを伝えた上でこう強調したという。

 なだ万は創業180年以上の歴史を誇り、店名は創始者の灘屋萬助氏に由来する。大正8(1919)年には、ヴェルサイユ条約の調印のため訪欧団の料理番になだ万店主が選ばれたことでも知られる。現在、国内では日本料理店をホテルや商業施設などに展開するとともに、総菜や弁当を売る「なだ万厨房(ちゅうぼう)」を出店。海外でも香港やシンガポール、中国など海外で日本料理店を運営している。客単価は高いところで4万円となる。平成17(2005)年の愛知万博では、日本料理の代表として会場内に出店したことで話題となった。

 7年には「なだ万厨房」に進出し、一時は上場計画も浮上したこともあるが、それが立ち消えになった頃から「身売りのうわさが絶えなかった」(元従業員)。リーマンショックなど景気低迷が直撃し、企業が交際費を引き締める傾向が強まった影響も受けた。年間の売上高は150億円と公表しているが、「本業のレストラン部門は採算性が年々悪化していた」(元従業員)という

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